前回に引き続き、平成31年1月~2月の活動内容について記述していきます。
②かなさぽ特別研修【VR(バーチャルリアリティー)認知症体験】を受講。
今年の2月19日(火)に【コスモス成年後見サポートセンター神奈川県支部:通称かなさぽ】主催の【VR認知症体験】を受講して来ました。
皆さんは【認知症】という病についてどのようなイメージをお持ちでしょうか?
一般的には、『あてもなく徘徊を繰り返す』であるとか、『幻視・幻聴に悩まされる』また、『人格が変わってしまう』等の印象が挙げられるのかもしれません。
しかしながら、これら社会の中で語られている話がどれだけ【我が事】として捉えられているか・・・というと疑問符が付いてしまうのではないでしょうか。
昨今の日本社会構成人口の高齢化もあって、各所で【認知症】の特徴や事例が紹介される場面もあり、数年前に比べれば一般周知度も上昇しているものと思われます。
自身に近しい方が実際に【認知症】となり、介護や支援で大変な思いをされている方も多いでしょう。
そのような【認知症】にまつわる厳しい現状が日常の中で溢れかえっている今、私自身【我が事】として当該病を感じ取る事はとても大切な視点であるだろうと考えるようになり、今回【VR機(バーチャルリアリティー機)】による疑似体験に参加してみようと思うに至りました。
【VR機】により再現される仮想現実の世界は、実際に【認知症を発症された方】への綿密な取材過程を経て作り上げられたものであり、その内容の精巧さには驚かされました。
詳しい再現内容については、特別研修主催元に対しご迷惑をお掛けする事となってしまいますので割愛させて頂きますが、【認知症】に対する『漠然としたイメージや先入観』を取り払う格好のツールであるとの感想を持ちました。
例えば、風邪を引いた方が目の前で苦しんでいる場合、人は『自身の過去の経験(風邪を引いた際の)』から、その風邪を引いた方へ柔軟な対応を取る事が出来ます。
これは、【共感の力】が上手く作用しているからこそなし得るものであると私は思います。
その点、【認知症】という病を経験し、その上で適切な対応を取るというのは、非現実的であり、経験からもたらされる『共感の力』を得るにはある種の工夫が必要になると言えます。
この【VR認知症体験】はその『共感力』を養うという意味で非常に有用であり、感覚に訴えかける手法が【頭で考え過ぎてしまう】理解の欠点を補ってくれます。
【認知症】の方が実際に日々経験している出来事は正に彼ら(彼女ら)が『現実の事』として目の当たりにしている事であり、サポート役が虚像として捉えていては何時まで経っても『共感と理解の浸透』は見込めません。
後見分野での【認知症】に対する理解は必須のものです。その理解の足掛かりに感覚に基づく共感力が加われば、より手厚いサポートへ繋がるかもしれません。
今回私が参加した【認知症VR体験】を提供して下さった企業は、神奈川県庁との提携で県下の学校において当該イベントを開催されているようです。
若年層教育の現場でこの様な体験が積極的になされる事もまた、『共感の力』を育む良い機会となるのでしょう。
【認知症】予防にはどのような事に気を付けるべきか?・・・という観点から物事を考察していくのも確かに大切ではあろうかと思います。しかし、高齢化の進む日本にあっては、先ず第一に【認知症の方を殊更特別視するのではなく、温かい目線で見守り寄り添っていく】環境を整える事こそが社会に求められている最大の課題であると私は思います。
関連URL:【公式】認知症体験プロジェクト(株)シルバーウッドVR事業部
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