前回に引き続き、第14回目のテーマも【尊厳死宣言書】について記していきます。
【尊厳死】の意思をお持ちの場合、その後行動に移す事の出来る選択肢としては2つ考えられます。
ちなみに、下記2つのケース以外にも【自分で書面を作り信頼できる人に託しておく】・・という方法もありますが、その書式の正確性、本当に本人が書いたものなのかの確認、、病院側への提出のタイミング、紛失の恐れ・・等憂慮する点が多々ありますのでオススメは出来ません。
①【尊厳死宣言書】を【日本尊厳死協会】に登録する
【日本尊厳死協会】「〒113 東京都文京区本郷2-27-8 太陽館ビル501」
終末期医療における事前指示書を登録管理している一般財団法人です。(2016年の段階で会員数11万人を超え、設立からは40年近く経つ歴史ある団体です。)
この【日本尊厳死協会】所定の入会届に必要事項を記入し送付する形です。協会側が送られてきた書面に登録番号を附し1通を保管、コピーの2通が返送されるのでそのうちの1通を本人が保管し、残りの1通を近親者等(配偶者・子・後見人)が保管する事になります。
必要が生じた場合に(延命措置等の選択を迫られた時等)に、医師に当該書面を提示する事で【尊厳死】の希望を相手側に伝える事になります。その趣旨を担当主治医がご理解されない場合における【リビングウィル受容医】の紹介等も例としてはあるようなので、詳しくお知りになりたい方は(会費などの情報も含め)下記のホームページを参照になされてみて下さい。
【日本尊厳死協会HP】http://www.songenshi-kyokai.com/
②【公正証書】として【尊厳死宣言書】を作る
ご自身の意思を明確に公的文書に残す事で、後に起こり得るトラブルを未然に防ぐ一助となります。【尊厳死宣言書】については法律で明確にその書き方が決まっているわけではありません。ただし、冒頭部分で申し上げました通り、自筆で簡単に作成されているものは【本人確認性】&【保管性】そのどちらにおいても不明確になるきらいがあります。
その点、【公正証書】であるならば、公文書作成の専門家である【公証人】が作成いたしますので上記のようなご不安を持つ事もなくなるかと思います。また、当職にご一報いただければ【公証人】に当該事案を嘱託する際のコーディネーターとして動く事も可能です。
関連URL:【お問い合わせ】
法律上その書き方が決まっていないとしても、公証役場に事前に雛形ををもらいに行きその流れに沿って原案を組み立てていく過程はとても重要なものです。初めて作るそして、唯一のものとして作るのであるならば、基本線から逸れる事無く作成するようにしましょう。
例としては、尊厳死の意思表明→なぜ尊厳死を望むのか?その理由→家族の理解・同意があるのかどうか→病院関係者・家族への免責事項と警察・検察への配慮の求め→精神的にしっかりしている時に作成したものであることの宣言・・・という流れになるでしょうか。
この一連の内容に沿う形で自身の意思表明を形にし【公証人】に提案、公証人がそれを元に文案を作成、その文案を検討し、必要であるならば訂正変更を加え、その後担当【公証人】と予約日の日程を調整し当日【公証役場】にて作成する・・・これが基本的な業務のフローとなります。
【公正証書遺言】の場合と違い、【証人】に立ち会ってもらう必要はこの【尊厳死宣言書】作成にはありません。しかし、理想としてその意思に賛同して頂けた【ご家族】が同席される方が望ましいという事は言うまでもありません。(この部分においても前回の【ご家族の共通理解】が大切という点がおわかりになろうかと思います。)
関連URL:【尊厳死宣言書について①】
作成した後の【尊厳死宣言書】については、医療関係者に提示するそのタイミングもとても重要です。入院されるご本人の意識がはっきりされている場合にはご本人が【入院時】に、あらかじめご家族(お一人の生活である場合には信頼できるご友人や後見人、親族等)に託している場合には最低でも【延命治療を始める前】に、それぞれ主治医に提示されると良いでしょう。
【尊厳死宣言書】も【遺言書】同様、必要であると思った時にはお体を壊していて容易には作成できないというケースも考えられます。本来的には【自身の体と意思がしっかりとしているうちに】作成する事が寛容であると言えるのではないでしょうか。
関連URL:【終活ノート記載事項①】 :【終活ノート記載事項②】
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