【死後事務委任契約について】

皆さん、こんにちは。神奈川県 横浜市 南・港南支部所属 行政書士 近田知成です。

第27回記事投稿となる今回のテーマは【死後事務委任契約について】です。


人が亡くなる事により生じる【死後の様々な事務手続き】はかかる時間もさることながら、その手続き内容多岐に渡り予想以上に大変なものとなります。

亡き人の配偶者お近くに住むご親族等(子供)が当該手続きを行う形がが典型だと思われますが、お一人で生活を営んでいる方ご親族等と様々なご事情で疎遠となっている方は事前に自身の【死後の事務手続きを担当してもらう人】の目途を立てておかなければ、近隣の方や役所の職員が困ってしまう結果を招きかねません。


また、たとえこれら事務を担当してもらう方の目途が立っていても【ご自身の生前の意向に沿った】死後事務を遂行してくれるかどうかは別問題です。

『私が亡くなった後は友人の誰々、親戚、お世話になった〇〇さんに連絡を入れてほしい』であるとか、『お墓の手配(宗教上の事柄、墓地の場所、その契約形態・・・等)、葬儀の型(ワンデー葬儀の選択、参列者の事柄・・・等)、永代供養について要望がある・・・』又は、『遺品の取り扱い手紙を書いて届けてほしい人がいる・・・』等いわゆる【終活】にまつわる【こだわりの事項】は少なからぬ人が人生の締め括り時点で思い描く事であろうと思います。


①【自身の亡き後の事務手続きを担ってもらう人を決めておく】②【自身の意向に沿った形での死後事務を実現すべく契約に盛り込んでおく】この2点を踏まえ【生前に契約を結んでおく】ことが【死後事務委任】の意味合いと言えるでしょう。

この契約書面も【公証役場】で【公証人】により作成してもらう事が出来ますし、前数回にわたりご紹介してきた【任意後見契約】、【財産管理等委任契約】、【見守り契約】、【遺言書】、【尊厳死宣言書】等と組み合わせ作っておけば【老齢期の生活設計】に安心感を持たせることが可能となります。


依頼をするご本人の側からのメリットだけでなく、例えば【任意後見】契約を結んだ【任意後見受任者(任意後見人)】としても当該【死後事務委任契約の存在は有用なものとなります。

関連URL:【任意後見契約の実用性】

なぜなら、ご本人が亡くなった後の事務手続きは【任意後見受任者(任意後見人)】が請負う事が多々あるのですが、実際上この死後事務手続きにおける【法的根拠が任意後見契約の中には存在せず実務の現場において受任者が仕方なしに危ない橋を渡っている現実があるからです。

任意後見契約】に加え、【死後の事務においても当該任意後見人にその役割を果たしてもらいたい】とお考えならば別途死後事務委任契約】書面を作成しておく事で【受任者の事務手続き環境を整えておく(権限の正当性)】・・・その様な気配りも必要かと思います。


また、この契約をお考えの方は、その思いや具体的指示内容を【エンディングノート】のようなものに記録しておき、【公正証書】で書面を作成する前からその受任者の方とお話し合いを重ね意思疎通を図っておく事も大切となります。

関連URL:【終活ノート記載事項①】 :【終活ノート記載事項②】


そして忘れてはならない事として【報酬額の定め】と【事務処理経費】の問題が存在します。

この事については、後に相続人の方々と【認識の違いに基づくトラブル】に発展しないよう当該分野の専門士業の方にアドバイスをもらいながら進めていくほうが無難かもしれません。手続きの幾つかには多額の金銭が関係してくるものもあり、【管理や支出の透明性が必要】となってくるからです。

悩みや心配事を事前の準備で解消しておく】ための契約書面なのですから、当該書面が後のトラブルを引き起こしては本末転倒です。客観的立場で適格なアドバイスくれる方との連携で確実な書面づくりを実行したいものです。

関連URL:【お問い合わせ】

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