前回の記事に引き続き、第10回目投稿となる今回も【相続業務でのご質問事項】について記していきたいと思います。
関連URL:【お聞きする事 相続業務編】①
相続業務には【基本的なロードマップ】が存在します(※このロードマップはあくまで相続人間で紛争性の無い事案を前提としています。裏を返せば紛争の予兆が見受けられたり、手続きを進めていく中で【争続化】していく事も考えられ、そのようになると手続きそのものも基本線に則ったものに留まらなくなるかもしれません。)ので、質問事項もその流れに即したものになります。
その中で【面談】形式の聞き取りでは大きく分けて5つの分野でご質問していく事になろうかと思います。
①【被相続人(亡くなられた方)の事柄】
その方の【氏名・生年月日・死亡年月日・生前最後に居られた住所地や本籍地等】をお聞きする事になります。亡くなられた方を思い出す作業ですので、心情的に苦痛を伴う事になると思いますが、業務を行う上では必要となる情報ですのでご協力いただければと思います。
②【相続人の事柄】
実際面談に来られる方を含め、相続人となる各方々の【氏名・住所・連絡手段・続柄等】をお聞きします。
そして、重要なポイントとして、相続人となるであろう方々が【未成年】【判断能力が(例えば認知症などで)障害により不十分】【海外移住者】【行方不明者】で有るか否かを聞き取りします。当該4つのケースに該当る方がいる場合は、遺産分割協議を行う前に「特別の手続き」を経る必要がありますので、業務完了まで長期を要する可能性もあるという事実もご説明することとなります。
③【相続財産に関する事項】
お持ちの【不動産情報(自己所有、賃貸借等権利関係含む)】や【金融資産(預金通帳等での確認)、株式、証券情報・・等】出来る限り詳しくお聴き取りするよう注意して進めて参ります。
また、相続においては【マイナス財産(借金)】についても後々の【相続の選択肢】判断に影響ががありますので、お話しして頂くと同時に、【マイナス財産と遺産分割】について当職の方からもご説明いたします。
④ 【相続人間の関係性と現状】
遺産分割協議書作成を前提とした相続業務の中で、【相続人間で合意形成がなされている事】はその手続きを円滑に進めていく上で欠く事の出来ない重要なピースとなります。
その為、幾分デリケートな要素を帯びてはいますが、面談を行う時点での相続人間の【関係性】(例えば、頻繁に話をする間柄なのか?、何年もの間疎遠となっているのか?・・等)や、【リーダーシップ】(相続人間で主導的立場に立たれている方を代表相続人として、当職との窓口的役割を担当して頂く事が可能かどうか?)についてもリサーチさせていただく可能性がございます。
事前に守秘義務についてのご説明もいたしますので、安心してお話しして頂ければ幸いです。
⑤【遺言書の有無について】
亡くなられた方が生前に【遺言書を残されているかどうかの調査】をも含め業務を受任した場合、その遺言書の所在を確認し、所定の手続きを進めていかなければなりません。
相続人の方々がその遺言書の存在を知っている(どこにあるのかも含め)ならばその後の業務も比較的スムーズに進めていけるかと思いますが、【(亡くなられた方が))遺言書を作っていそうな気はするが実際のところわからない・・・】となると本格的に調査を進めていく段階に入る事となります。
作られたものが【公正証書遺言】であるなら【公証役場への問い合わせ】や【遺言登録システム検索】をかける事になりますし、【自筆証書遺言】であるなら【検認】手続を素早く済ませる為に、相続人の方々にその【遺言書の保管場所や遺言書を託していそうな方(生前親しかったご友人等)】をご確認していただけるようお願いをする事になるかと思います。
以上が【主な面談時のご質問事項】となりますが、これらはあくまで質問事項の【概略】です。それぞれのご家庭で個別具体的な事情があり、中にはお話しする事を躊躇してしまうような内容の話も存在するのはごく当たり前な事です。(私だって同じですから。)
ゆっくりと丁寧にお話し合いをしていきましょう。その方が心理的に負担にもならないですしね。当職としては、矢継ぎ早に質問を投げかけていくのではなく【お客様主体】でお話をして頂けるような【場所作り】を心掛けていきたいと思っています。
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