皆さん、こんにちは。神奈川県 横浜市 南・港南支部所属 行政書士 近田知成です。
記事投稿40回目となる今回のテーマは【相続にまつわる疑問について】です。
相続が開始されると様々な期限の存在を念頭に入れ行動していかなければならなくなります。その段階で必要とされている前提知識を持っているか否かで後の対応に差が生まれる事も考えられますので、今回は素朴ではありながらも大切な【相続にまつわる疑問】について幾つかご紹介していきたいと思います。
①【相続手続きに必要となる公的書面は何?】
・戸籍(除籍・原戸籍)謄本➡親子関係や婚姻関係(親族関係)を明確にする為に必要となる書類です。被相続人の【出生から死亡まで(実際は13歳位から~という考え方もありますが)】の戸籍謄本と、相続人の現在戸籍の謄本も必要となります。いずれも本籍地の市区町村役場に請求する事になります。
また、被相続人の出生までの戸籍謄本を入手するにあたり、転籍等がありますと【郵送請求】を行う事が考えられます。その際における発行手数料は【定額小為替】で支払うことになりますが、請求先市区町村役場に問い合わせても個人情報の取り扱いの関係上、通数や当該戸籍情報の照会には応じてもらえないことが考えられます。
よって、発行に際し不足にならない程度の【定額小為替】を同封しての請求が良いかと思いますのでお見知りおき下さい。(実際は3千円程同封すれば問題ないかと思います。)加え、請求先が保有する被相続人に関係する全ての【出生時に遡る関係戸籍・除籍謄本など】を漏れなく入手する必要がある旨、一筆メモ用紙等に書き同封する工夫もありでしょう。
・住民票、戸籍の附票➡戸籍謄本では証明しきれない【住所】の情報が必要となる場合に取り寄せる事となります。請求先は住所地の市区町村役場です。
・印鑑登録証明書➡相続人全員の印鑑登録証明書が必要です。請求先は住所地の市区町村役場となります。相続手続きにまつわる各種の書類(ex:遺産分割協議書など)には総じて【実印】による押印が必要となります。そしてその書類に【印鑑登録証明書】を添付する事で本人と書面との関連付けとするのが常です。
相続の手続きはどれも重要なものばかりですから、各関係機関窓口でも【印鑑登録証明書】の提出は必須ですので注意しなければなりません。役所で請求する際には複数窓口提出を考慮し請求枚数を決定するようにしましょう。(何度も役所に行かなくて済むように1回で必要枚数網羅が大切です。)
また、提出機関により【発行後3か月以内の印鑑登録証明書】が必要な場合もありますので、その点ご注意下さい。提出前の事前問い合わせで期限の有無を確認し、【提出日に期限内】となるようにタイミングを見計らって役所へ請求するように心掛けましょう。(余りに早い段階で【印鑑登録証明書】を入手し、提出の際期限が切れていた・・・では問題となりますので。)
②【香典は相続財産になるのか?】
香典は祭祀主宰者や相続人に対する弔問や会葬にお見えになる方からの【故人への弔慰や遺族への慰め】を根底とした贈与と解釈されることが多く、また、その概念の中には葬式費用の一部を皆で負担する事への賛同も含まれると思われ、これらの考え方から通常当該香典の扱いについては【相続財産には含まれない】とするのが通常の解釈となります。
香典の使い道としては、先ず【葬式の費用に充当し】、余りがあれば【祭祀主宰者】が後の祭祀や供養の為の資金として充当する扱いになろうかと思います。
また、いただいた香典については【いただいた方の氏名とその金額】をリスト化し保管しておくと良いでしょう。(自身が参列するべき葬儀のチェックリストとして後に活用することも出来ます。)
余談にはなりますが、最近の葬儀事情として香典を受け取らず簡素な形で葬儀を執り行うご家庭が増えているようです。
これは、一般参列者の方々からの香典受け取りをご遠慮する旨の意思表示を事前に行い、故人をしのぶ気持ちのみ持ち参列して頂くと共に、香典返しに伴う手間を省くという意味をも内包するもので、この様な葬儀の場合参列者としては、ご遺族の意向を尊重し無理に香典を渡すことは控えなければなりません。
また、遺族側の対応として一般参列者からの香典受け取りと親族からの香典受け取りを同様に扱うか否かの問題があります。
親族との関係は葬儀や後の祭祀を円滑に行う上で必要不可欠なものであり、この点を考慮するならば、親族からの香典だけは一般参列者からはわからない形(喪主控室での受け取り等)で受け取っておくというのも一つの方法と言えるかと思います。
これら葬儀の簡略化の傾向はこれからも続くと思われますが、お住まいの地域によっては古くからの形式が好まれる土地柄もありますので、葬儀の形式選択については様々な要素を複合的に検討し決定すべきでしょう。
次回以降も同じく【相続にまつわる疑問】についてご紹介していきたいと思います。
関連URL:【相続にまつわる疑問②】 :【相続にまつわる疑問③】
コメントを残す