【相続にまつわる疑問②】

前回に引き続き【相続にまつわる疑問】についてご紹介していきたいと思います。


③【仏壇やお墓はどの様に相続される?】

亡くなられた方の家に伝わる【家系図】(系譜)や祭具(仏壇、仏具等)、墓石や墓碑【墳墓】等は総称して【祭祀財産】と言い、通常の相続ルールとは一線を画す形で引き継がれる事になります。

これら【祭祀財産】は民法上【祭祀主宰者】(祖先の祭祀を主催すべき者)に帰属するものとされ、遺産分割の対象とはならないと考えられています。

では、その【祭祀主宰者】をどの様に決めるのか?という問題ですが、先ず①【被相続人の指定】(この【祭祀主宰者の指定】は法的な効力のある遺言事項ですので、遺言の中で指定する事も可能です。)により決まり、次に①の指定が無い場合には②【慣習】により、その②【慣習】も無い場合には③【家庭裁判所の審判】によって決まります。

また、関連知識として【遺骨】についても【祭祀財産】では無いものの同じく【祭祀主宰者】が引き継ぐ形で取り扱われる事となりますのでお見知りおき下さい。


④【金融機関(銀行)での相続手続きの流れは?】

銀行等各金融機関の相続手続きについては、口座開設をしている銀行によりその手続き内容に違いがありますので、相続開始後速やかに問い合わせをし、必要な手続きと提出書類、その他留意すべき事項を確認する必要があります。

下記に記載する内容はこれら金融機関の相続手続きにおいて一般的な流れである点、含みおき下さい。

Ⅰ・口座名義人である被相続人の死亡の事実を金融機関に通知する。

被相続人の死亡の事実の通知後において金融機関は直ちに当該被相続人名義口座の『凍結』手続きを行います。これは相続財産となる預金の不正な引き出しを未然に防ぐ為の措置であり、相続人であったとしても厳格な手続きを経た後でなければ手を付ける事は出来ません

Ⅱ・金融機関所定の用紙を入手する。

各金融機関では【相続届】や【相続手続き請求書】といった所定の用紙が存在しますので、当該用紙の請求をします。この書類を入手するに際して提示しなければならないものがある場合も考えられますので、その点やはり訪問前の事前の問い合わせは必須と言えるでしょう。また、後に【財産目録】を作成する上で必要となる【残高証明書】をこの時点で同じく請求しておくのも良いかと思います。

Ⅲ・【相続届】への必要事項記入添付書類の収集と作成をする。

複数の相続人が存在する場合、金融機関としては【相続人代表者】を決めてもらい手続きを進めていく事が考えられますので、相続人間で調整する必要があります。また、提出書類に不備があると金融機関の事務処理の混雑状況によっては予想外の期間がかかってしまう恐れもありますので注意が必要です。

代表的な添付書類としては、【相続人全員の戸籍謄本(原本提出後金融機関はコピーを取り還付するのが通常)】・【相続人全員の印鑑証明書(発行後3か月以内が基本)】・【被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本】・【遺産分割協議書の写し】また、被相続人の【遺言書】がある場合には、【遺言書の写し】も必要です。

相続人の中で印鑑登録】を行っていない方いち早く登録を行い、他の相続人の方々との足並みが乱れないよう留意しなければなりません。

Ⅳ・必要書類の提出をする。

相続手続き請求書】と必要添付書類を提出します。窓口手続きで必要となる【被相続人の預金通帳・キャッシュカード】【金融機関届出印】などについても何を当日持参すれば良いのか事前に問い合わせをしておくことも忘れずに。

相続手続き請求書】や【相続届】内で指定した口座へ実際に入金されるまでには通常1週間~10日間、場合によってはそれ以上かかる事もあります。また、払い込みの【完了通知書】、【払い込み通帳】等が送られてきますので【完了通知書】については、【手続き担当者名刺】を窓口提出時にいただいておき一緒に関連付けて保管しておくと良いでしょう。


次回も同じテーマ【相続にまつわる疑問】についてお送りしていきたいと思います。

関連URL:【相続にまつわる疑問①】 :【相続にまつわる疑問③】

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください