【遺言書って本当に必要?】

皆さん、こんにちは。神奈川県南・港南支部所属 行政書士 近田知成です。


2回目の投稿となる今回のテーマは【遺言書にまつわる誤解について】です。

多くの方々が思い抱く「遺言書」の印象とはどのようなものでしょうか?

例えば・・・多額の財産を所有する御仁が自らの意思を反映させるべく生前特別に残し、その死後、依頼を受けていた遺言執行者が相続人全員が会する大広間で恭しく封を開けその内容を読み上げる・・・という余りにも仰々しいイメージを抱いてはおられませんか?(少々大袈裟に過ぎるかもしれませんが。)

確かに、多額の財産を所有する方はご自身の死後、相続人の間で紛争等が起こらないよう、あらかじめ「遺言書」を用意されているケースも多い事でしょう。資産が多ければその分【争続】と俗に呼ばれる苛烈な争いが裁判上で繰り広げられる事もままあるとは思います。

しかしながら、この「多額の財産保有」と「遺言書作成の要否」との間にある世間のイメージの背景には「私にはそこまで財産はないから遺言書は必要ない。」という大きな誤解が裏に潜んでいてるのではないでしょうか?

この誤解を土台に、「遺言書」を作成する習慣性のなさ(日本において)や、分かりにくい専門用語への忌避感、「手間暇がかかるのでは?」等の考えがない交ぜになって「遺言書」作成をためらわせているのが実情であるように思われるのです。


実際には、財産額がどのようであれ、相続がおきれば皆「相続手続き」が必要になり、遺産分割協議がまとまらなければその「相続手続き」はいっこうに進まず相続人間の苛立ちは募り、意思疎通もままならなくなる事もあり得ます。(金融機関の口座数が多い、その口座がそもそもどこにあるのかわからない、相続登記も必要だし、お墓の事も進めていかなければ・・・と相続手続きと関連する各種手続きは予想以上に時間も手間もかかります。)

「遺言書」は財産価格の高い低いといった基準でその作成を決めるのではなく、【どのような財産内容であれ自らの死後、無用な財産争いを避け、残された相続人の相続手続きをスムーズに行ってもらう】事を主眼において作成するものなのです。


また、上記のような誤解以外にも・・・

・「遺言書はもっと年を重ねてからでよいのでは?」⇒余りにご高齢で判断能力に疑義があるとなれば、遺言の効力の問題になることもあるので、【元気で健康なうちに】が作成のキーワードでもあります。また、事業を営んでいる方などは、自らが突然なくなってしまえば、ご家族や従業員が困り果ててしまいますので、どのような年齢でも「遺言書」は作成しておいた方が良いでしょう。

・「うちは家族仲が良いので遺言書を作らなくても良い」⇒その家族仲・・ご自身が「かすがい」ではありませんか?家族全員が揃っている事で保たれている家族内パワーバランスも将来誰かが欠けた時変容する可能性はあります。いつまでも仲良くいてもらいたい大切な家族が【遺産相続で余分な気を遣う事無く相続手続きを円滑に行える】為にも「遺言書」は作成しておくべきだと思います。


「遺言書」を残す事において行政書士は、その【作成における相談業務】から【文案の作成】、【遺言執行者として指定】等、様々な形で皆様をサポートすることが可能です。

ご自身がもし、これらのような「遺言書における誤解」を少しでもお持ちであるようなら、【死後の自分の分身】になりえる「遺言書」の存在意義を今一度思い描いていただければと思う次第です。

 

関連URL:【遺言書にかける事って何?】  【遺言書作成をお勧めするご家庭ケース】

 

 

 

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