【遺言書作成をお勧めするご家庭ケース】

皆さん、こんにちは。神奈川県 南・港南支部所属 行政書士 近田知成です。


記事投稿第8回となる今回のテーマは、遺言書作成をお勧めするご家庭ケースとは?です。

行政書士遺言書作成支援を積極的に行っています。その為様々なご家庭に立ち合う事になる訳ですが、細かな事情の差こそあれ、ある一定の場合には「遺言書作成をお勧めするべき」とも言える「定型」ケースが存在します。

ご自分の家庭環境(ご自身のお気持ちも合わせて)が下記のような場合に該当するならば、一度「遺言書」作成(「遺言書」作成だけで全ての問題を乗り切れない場合は、その他にも組み合わせることで効果を発揮する書面等もあります・・が、今回は「遺言書」に特化してご紹介しますね。)をご検討してみてはいかがでしょうか。


①【お子様がおられないご夫婦

お子様がおられないご夫婦で、自らの死後、配偶者の生活がどうなるのか?ご心配の方も多いと思われます。ご自身に親兄弟(ご存命の)がおり(親兄弟がいなくても甥姪が存在すればその方々が相続人となります。)、それらの方々と配偶者との遺産分割協議が円滑に進むだろうか?といった疑問もその親兄弟との関係性如何によっては悩みの種になる事もあり、「遺言書」を作成するメリットは大いにあると思われます。


②【事業を営んでいるご家庭

事業用資産をしっかりと後継者に受け継がせる事も経営者にとっては生前の命題となるでしょう。しかし、相続人間の遺産分割協議が上手くいかずに、事業経営に支障が出てしまうケースもままあります。「遺言書」で「事業後継者たる相続人」と「その他の相続人」との【相続財産の区別】を自らの思いと共に残す事には大きな意味があります。(このケースでは、相続税の件も含め「税理士」先生にアドバイスを戴くというのも大切な点の一つですね。)


③【心配な家族がおられる方

ご家族の中に病気がちの方、障害をお持ちの方等がおられる場合、出来るだけ多くの財産を相続させてあげたいとお考えになる事はもちろんのこと、加えて、それらの方々が【自分で財産を管理出来ない】ケースも想定し、【後見人をつける手続き】をも見越した「遺言書」を作成する事は、将来の生活基盤の安定をもたらす上でとても重要な行為と言えます。


④【お墓の事や先祖供養が心配な方

お子様がおられるご家庭では、ご長男が墓を守り先祖を供養していくのが基本とお考えの親御さんも多いと思われます。しかし、当のご長男はその意識を共有しておられるでしょうか?(最近ではその先祖代々のお墓の管理が大変で、いわゆる「墓じまい」をお考えの方も多くいらっしゃるというのが現実のようです。)

先祖供養のために必要な【祭祀財産】(お墓・仏壇・お位牌・神棚・神具等含む)を相続させる方を「遺言書」の中で【祭祀主宰者】として指定し、かつ、その維持管理の為の費用についても手当する旨を記載する事で、相続人たるご長男の「後の手間を慮る」配慮を示すことが出来るかもしれません。


④【ペットを飼っているご家庭

自身の死後、家族同然に接しているペットの世話をどうすれば良いのか?悩まれている方も多いと思います。信頼できる人にペットの世話を任せると同時に、財産を「遺言」で贈与する事がその不安を取り除く助けとなるかもしれません。(これを【負担付遺贈】と言います。)(ただしこの場合、贈与を受け実際にペットの世話をするか否かはその方(受贈者)の意思に委ねられますので、頼む相手の人柄等を慎重に検討する必要があります。)

関連URL:【ペットのお世話と遺言書】


今回は上記5つについて、【遺言書作成をお勧めする】該当ケースの【大枠】としてご紹介しましたが、それぞれのご家庭にそれぞれの【細かな事情】が存在し、それが【棘のように引っ掛かっている】のが実情だと思います。【遺言書作成】をサポートしていく身としては、それら細かな【】にも気を配っていけるような存在になれればと感じているところです。

関連URL:【遺言書って本当に必要?】 :【遺言書作成前のステップ①】

 

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