【遺言作成の適齢期】

皆さん、こんにちは。神奈川県横浜市 港南区にて活動中行政書士、近田知成です。

第73回目記事投稿となる今回のテーマは、【遺言作成の適齢期】についてです。


前回と以前にご紹介しました【遺言書作成前のステップ①】 、【遺言書作成前のステップ②】

では、実際に【遺言書】を作成する前の事前準備として用意しておきたい①【資産情報の確定】と②【人の情報集約】についてご紹介してまいりました。

遺言書作成のメリットは、【生前の最終意思をご自身の自由な考え方で描がける】事にあり、一般的にこの点に疑義は存在しないでしょう。

しかしながら、どれだけ【自由に】とは言っても、前回の記事の中でご紹介した【家族関係】、特に【遺言書内容により影響を受けることとなる相続人】の事を考えれば、誰しもが【後にトラブルとならないような思慮が必要】であると思い至るのではないでしょうか?

この事実は、行政書士として【遺言書作成サポート】を行う当職としても【遺留分に対する配慮どうするのか?】・・・という形で、常にご依頼者様の希望実現困難にするハードルの様に眼前に現れます。

関連URL:【遺留分とは?】


また、上記のような【家族関係の細部に渡るデリケートな事情】を頭の中で考える作業は、予想以上に心理的ストレスを感じる作業であり、また、容易に答えが見つからないものでもあります。

遺言書】を作成する方が良いのだろうか・・・?とお考えの方はその時点で少なくとも【遺言書】の必要性の一端どこかで感じているわけであり、その背景には恐らく【このまま何もしない】状態へのご心配が隠れているのでしょう。

これらの心配事やデリケートな事情認識しつつ、心理面を一定に保ちながら、【遺言書作成を実行していくには、少なくとも【ご自身の精神状況が良好である】事が大切であると私は思います。

加えて、例えば公正証書遺言を作成しようとなれば、自らが【公証役場】へおもむき、公証人の方とのやり取りを行う流れとなり、一定の体力を使う事にもなります。

また、事前に士業の方と【遺言書の起案】で調整を図るにしても同様に、話し合いを重ねるための体力が必要です。

つまり、理想的な【遺言書作成プロセスには、上記のような細やかな配慮と一定の作業を乗り切れる体力と精神力】が求められるのです


一方、【資産状況を把握】し、その分配や承継方法を考えていくには、確たる判断能力】も必要になります。

認知機能の低下】が見られるとなれば、遺言能力に疑義が持ち上がり、最早作成に移る事が出来ない憂き目に遭う可能性すら考えられます。

私が所属している【コスモス成年後見サポートセンター神奈川支部:通称かなさぽ南地区にて開催された無料相談会でも、道行く方に『遺言書作成のサポートも行っております。』とのお声掛けをして参りましたが、少なからぬ方々が『自分は全然元気なので作る必要はありません。』とのご返答をお受けしました。

私としては、『その元気である今のうちこそが、遺言書作成の適齢期なのです。』と申し上げたい衝動にかられつつも、残念ながら、中々積極的に働きかけが出来なかったのが実際のところです。


現実的な話として、成年後見制度を利用するその段階に至って『遺言書を作成する』ことを望まれても、色よいご返事をしかねるのが実情です。

法律上確たる書面として残される【公正証書遺言】作成の現場でも、依頼者成年後見制度を利用されているとなれば、遺言能力の有無が問題となります。(公証人先生から作成へのゴーサインが出ない、又は、主治医の鑑定書が必要になる・・・等の困難事例にもなり得ます。)


上記の事情を勘案し、遺言書の作成をご検討されている方は、【最良の作成タイミング】を逃さないようにしていただきたいと思います。

関連URL:【遺言書って本当に必要?】 【遺言書作成をお勧めするご家庭ケース】

【お問い合わせ】

 

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